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NTTドコモ:超高速「5G」技術実現で描く2020年とは

 

 スマートフォンやタブレットの普及などでデータ通信量は爆発的に増加し、2020年代には10年と比較して、1000倍以上に増えると予測されている。NTTドコモは、現行のLTEシステムの約100倍の超高速通信や、約1000倍のデータ通信量などに対応できるネットワークシステムとして2012年から次世代の移動通信システム「5G」の研究開発に取り組んでいる。技術見本市ともなる東京五輪・パラリンピックが開催される20年のサービス提供開始を目指しているという。同社を取材した。

 同社でも、「(年々)データ転送速度に関する要望が上がってきたり、スマートフォンなどの出現などにより、一度に通信すべきデータ量が増えてきたりしている」という。増大するデータ通信量に対応するため、研究開発を進めているのが5Gだ。同社では、LTEの商用サービスを始めた10年ごろから5Gに関する検討を開始し、研究開発を進めてきた。13年からは国内外の通信、電機会社などと共同で実験などを行っており、5Gの標準化へ向けた取り組みにも力を注いでいる。

 5Gは、超大容量・超高速通信のほか、データを遅れることなく1000分の1秒以下で伝送する超低遅延性能、情報端末や家電などあらゆる“モノ”が無線でネットワークにつながるIoT(Internet of Things/モノのインターネット)の普及に伴う超大量デバイスとの接続対応などの条件を満たす規格として研究開発されている。

 5Gを実現するため同社が取り組んでいるのが、800MHz帯や2GHz帯などといった既存の低い周波数帯に加えて、3GHz以上の高い周波数帯も利用する試みだ。これまで電波の波長が短く、遠くに飛ばない高い周波数帯は通信の安定性を確保することが難しく、移動通信に適さないとされていた。だが、高い周波数帯と従来の低い周波数帯を組み合わせて用いる「ファントムセル」といったネットワーク技術や、基地局のアンテナを増やし、多くの端末の高速通信を可能にする「Massive MIMO」(マッシブマイモ)という技術を組み合わせることなどにより、通信の安定性を確保しながら、約100倍の高速化、約1000倍の大容量化を実現できるという。

 では5Gが導入された世界ではどのようなことが可能になるのか。人が密集したイベント会場や大都市エリアなどでも、フルハイビジョンの4倍の解像度を持つ4Kや、さらに解像度が高い8Kといった超高画質動画を即座に快適に楽しめるようになるという。スポーツ観戦の楽しみ方も変わる。競技を観戦しながら、場内に設置された多数のカメラや審判などが装着した小型カメラなどさまざまな視点からの迫力ある映像を手元のスマートフォンやタブレット端末などで視聴するといったことや、離れた会場で行われている競技の3Dホログラム(立体映像)を別の会場に投影して、本物さながらの臨場感ある中継を行うといったことも可能になるという。

 また、同社の担当者は「橋や高速道路などの建造物に通信モジュールを埋めて、常時監視しながら、どこか状態がおかしくなったら、その予兆をもって早めに補修するといったことなどができるようになる」と話す。さらに、5Gは超低遅延通信に対応することから、よりリアルタイム性が要求される医療や建設現場などでの遠隔操作、高度運転支援や自動運転、高度な同時通訳システムなどの分野でも活用が進むと期待されている。

 研究開発の現状について開発に携わる同社の担当者は「いろいろなベンダー(企業)と組んで実証実験を行い、データもだいたいそろってきた。(5Gの標準化を進める世界的な団体などで)標準化=社会インフラをどう作っていくか、さまざまなパートナーとともに、長い時間をかけて議論をかわしている」という。20年のサービス提供開始に向け、精力的に研究開発が進められようとしている。

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