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高齢女性の腰痛:半数以上の娘が「なにもしていない」 椎体骨折の可能性も

日本イーライリリーのセミナーの様子

 腰痛持ちの母親や姑を持つ45歳~60歳代の女性にアンケートしたところ、自身の母親が訴えている腰の痛みについて「なにもしていない」と答えた人が半数以上を占めたことが医薬品メーカーの日本イーライリリー(本社・神戸市)の調べでわかった。同社は5日、東京都内でセミナー「『骨折と家族介護の実態』~母の痛みは、家族の痛み~」を開き、講演した鳥取大学医学部保健学科の萩野浩教授は女性高齢者の腰痛は骨密度が下がって骨の強度が落ちる骨粗しょう症による椎体骨折(背骨の骨折)の可能性があると警戒を呼び掛けた。

 萩野教授は腰痛を大別すると、背骨に原因があり、動くと痛みが生じる場合と、内臓に原因があり、動かなくても痛みが生じる場合があるとし、背骨に原因がある場合には、骨密度が下がって骨の強度が落ちる骨粗しょう症による椎体骨折(背骨の骨折)の可能性があると紹介。骨粗しょう症は現在、約1280万人の患者が推定されており、「(過去に)椎体骨折がある方は、なかった方に比べて4~5倍、椎体骨折のリスクが高まる」と指摘した。また背中が曲がっていると椎体骨折の可能性があるといい、背中の曲がりが心肺機能の低下や逆流性食道炎など呼吸器、消化器系機能の障害に影響があるという。

 調査は6月9、10日に各都道府県100人ずつ計4700人の回答をインターネットを使って得た。1650人が母親が背中や腰に痛みを訴えていると回答。そのうち53.4%が「なにもしていない」と答えた。結果について萩野教授は「(要介護につながる)腰痛、骨折の重要性を認識していない印象がある」と述べ、「骨粗しょう症が社会的な問題となっており、骨折は介護につながりやすい。介護を見据えて骨折を見つけ、骨粗しょう症を治療していくことは大事。大きな骨折を救うことにもなる」と訴えた。

 また萩野教授は、要介護となった高齢者の主な原因のうち、骨折・転倒は、脳卒中、認知症、高齢による衰弱、関節疾患に次いで多く10.2%を占めると示した。なかでも寝たきりの原因になりやすい、足の付け根あたりの大腿骨近位部の骨折が1年のうち、80歳代前半の女性で100人に1人、同後半で50人に1人、90歳代を超えると30人に1人に発生しているとし、「この発生率は、平均的な日本人の50歳の女性が死ぬまでに5人に1人が股の付け根が折れるということ」と説明。この骨折は立った姿勢からの転倒によって起こることが多く、50歳代から70歳代では、転倒した際に手を出すことによって手首を骨折することが多いという。椎体骨折と同じく「背中、手首が1回でも折れた方は次の骨折、大腿骨近位部の骨折が起こりやすくなるので、骨折の症状を見逃さず、大腿骨近位部の骨折をおこさせない努力が大事」と話した。

 同社は、腰痛を放置することで生じる危険を伝えるサイト「イタみる~母の腰痛、骨折かも~」を開設。高齢者の骨折によって起こるさまざまな危険や患者の声などを紹介するほか、腰痛の原因が骨折かどうかを診断できる整形外科など全国約1800の専門医療機関を検索機能付きで紹介している。

 同社の束原直樹フォルテオブランドチーム部長はセミナーで「腰痛の原因はさまざまだが、病院に行くことで骨折かどうかは分かる。別の原因であれば別の専門医にかかるという受診を促せる。(腰痛を)克服して明るい人生を過ごしていただきたい」と話した。(毎日新聞デジタル)

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